あかすぎる、恋に。

「さっき見かけたんだけど、遼真と
沢良宜さんが一緒にどっか行ってた!!」

「・・・・・・・」

莉雨と遼真が一緒にどこか行ってた?

私は思い当たるふしがあってバッと
教室に掛けられているカレンダーを見た。


・・・・・一週間。

一週間前、莉雨が言っていた。
告白すると。


あの時の光景がはっきりとフリーズしてくる。

鮮明に覚えている。

「彩!!」

ボーっとしていると勘違いされたのか、
大きな声で呼ばれた。

「あ・・・・うん、聞いてるよ。」

「二人を見てからまだ時間はそんなに
立ってないから、急いで行ってきて!!」


そう言って無理やり私の背中を押す。

「わっ!!・・・ちょっと、待って!!」

「ホラ!!はやく!!!」

勢いに押され、廊下へと出る私。

階段の方と唄鳥君の顔を交互に見ながら
あたふたする。


でも、莉雨は今ものすごい勇気を出している
んじゃないか。


私が邪魔をしてもいいのだろうか。

そう思っていたのがバレたらしく、

「馬鹿!!」

大声でそう言った。



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