あかすぎる、恋に。

「だけど私も、気付いたんだ。」


もうごまかし続けるのはやめにして。

私は莉雨の目を真っ直ぐと見つめる。


「嘘をつき続けるってことは、誰かを
傷つけるってことで。私一人ならいくら
傷ついてもいいと思ってた。」


だけど私の気づかないうちに、私の知らない
所で誰かは傷ついてて。


勝手にきれいごとを並べてごまかしてた私は、
そんなことさえ気づいていなかったんだね。


「本音を出すのは怖いし、計り知れない
勇気がいる。」


誰もが言えないような思いを持ってて。


それをすべて誰かに言えるほど、勇気なんて
持ち合わせてないから。


「だから、一人で勇気を出して思いを
伝えようとした莉雨はすごいと思う。」


「・・・・・・・・・・」


「・・・だから、莉雨。私も遅くなったけど
本当の気持ちを伝えるね」


私は遼真の方を向き直る。

それにならって、遼真も私の方へ体を向ける。


数日前は目線だってそらすほどだったんだよね。
そう思うと、成長したのかな？



「遼真・・・・遼真のことが好きです。
こんなにも私を支えてくれていたなんて、
気付けなかったかもしれない。」

ゆっくりと頷いてくれる。

「遅すぎたかもしれないけど、好きなの。
そう気づいたんだ。」


「・・・・・・・遅すぎ、なんてないよ」

遼真は少し考えた後、そう言って、
再び莉雨の方へと向いた。