あかすぎる、恋に。
うつむいていた莉雨は、表情が読み取れ
なかったが、遼真はそれでも言葉を紡いだ。
「沢良宜さん。・・・・俺は、告白した
ことないからその勇気は尊敬する。」
そう言ってにっこりとほほ笑んだ。
「こんな俺だけど・・・好きになってくれて
ありがとう。」
この先の言葉は、莉雨も分かっているらしく
肩が小刻みに震えているのが分かる。
遼真もそれに気付いて続きを言うか迷って
いたけれど、やっぱりと、口を開いた。
「ごめん、沢良宜さんの気持ちには答えられない。」
しばらくの沈黙の後、莉雨が口を開いた。
「・・・・こんなの、見苦しいと思ってる。
自分でもわかってる。」
その声が、聞いたこともないほど弱々しく、
震えていた。
・・・・・・莉雨。
「だけど・・・・言ってもいい・・・?」
うん、聞かなきゃならないよね。
「私、本当はすごく卑怯なんだ。彩が
苦しんでいるの分かってて、ずっと黙ってた。
私も、自分の気持ちを貫きたかったから。」
でも・・・と目を伏せる。
「遼真君さ、私の名前、苗字でしか言って
くれなくて。・・・別に悪気があるわけじゃ
ないのは言ってるよ。でもそれが私と彩の差
なんだなって嫌でも実感しちゃって・・・・・。」