あかすぎる、恋に。


・・・・・・私と、莉雨の差・・・。

莉雨がそんなこと思っていたなんて、
私、考えたこともなかった。


「・・・・・・・・」

「ホントは彩が遼真君の気持ちに気付いて
しまったらって、ずっと怖かったんだ。」

「俺は・・・・」


遼真は何か喋ろうとしたけれど、結局やめた。

私もそう続ければいいのか分からずに黙っている。
すると、莉雨は再び口を開いた。

「こんなこと言ったら、きれいごとを言って
いるみたいでいやだ。でも、私は彩のことを
いい様に利用した最低な女なんだ。」

そんなことないよ。

莉雨は最低なんかじゃないよ。
私が知らない所で苦しんでいたんでしょ?

そんなの、気付かなかった私の方がもっと
最低じゃないか。


「莉雨・・・・・」

私が言えることは、なにか?

慰めか。
そんなことないよって?
同情か。
私も同じだからって?

どれも私が言ったって、莉雨の心に響かない。

「沢良宜さん・・・もう少し、自分を
解放していいと思う。」

「解放?」

「沢良宜さんも彩も、自分にも相手にも正直
すぎるから、きっと疲れてしまったんだよ。」

疲れてしまった・・・・・・・・?

その言葉は莉雨も意味が分からないらしく、
ただその言葉を理解しようと頭を回転
させているみたい。


< 137 / 194 >

この作品をシェア

pagetop