あかすぎる、恋に。


「二人とも、優しすぎる。優しすぎるから、
本音をいつも隠してしまうんだ。」

優しすぎる。

でも私には、優しいと優しすぎるとの限度は
分からない。


分からないから、その言葉も上手く
飲み込めない。

「もう少し、正直になっていいんだ。誰からも
責められるわけじゃない。ただ、お互いが
本音を言い合えたら、もっと楽な関係になる
んじゃないか?」


本当の関係・・・・・・・

さっきから私は、遼真の言葉をオウム返し
しているだけだ。


私は莉雨の方を見ると、丁度莉雨も私の方を
向いたので、顔を見合わせる。


莉雨も今の言葉が引っ掛かっているのでは
ないのか?

「彩・・・・・・」

苦しそうに声を絞り出した莉雨。

莉雨が私に言っていない本音が、あるのだろうか。

「私は・・・・私は、彩のこと。」

知らず知らずのうちに涙がこみ上げている
莉雨の顔は真っ赤だった。







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