あかすぎる、恋に。

大団円

【莉雨side】

ゆっくりと近づいている彩。

ぶつなんて、そんなことしない子だと
分かっているのに、私は罪悪感からか目をつむる。

彩は今、どんな顔をしているのだろうか。

怒っている?
悲しんでいる?
失望している?


だけど彩は、怒らないと言っていたんだ。

間違ったことをしていないから、怒る必要は
ないと。


私は、その優しさが嬉しくて。

私を許す必要なんてないと思っていたのに。
自分自身を許せないのに・・・・・・。


彩は私を抱きしめていた。

彩のぬくもりが分かる。


「莉雨は一つ悪いことをした。」
「・・・・・・・・・」


そう言って私を抱く力が強まった。

「だけど私も、一つ悪いことをした。」
「彩・・・・・」

どこまで彼女は、私を許してくれるのだろうか。


「それを許し合おうよ。それで遼真が言って
いたような、もっと楽な関係になろうよ?
一つずつ悪いことをして、一つずつ
許し合う。それでプラマイゼロでしょ?」








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