あかすぎる、恋に。
「だから、自分の気持ちに正直になるよ。」
「うん・・・・・・」
「好きだ」
とても言い出すには迷っていた彼だけど、
決心したのかはっきりと言っていた。
私はその返事に数秒は反応できなくて・・・。
彼はもう一度言った。
「好きだ、彩。・・・告白の時、本当に
嬉しかった。」
「・・・・うそ」
「嘘じゃない」
あくまで自分は本気なんだと目が言っている。
目の訴えがなくても、私は今の言葉を
嘘だとは思わない。
だって彼が嘘をつくことなんてなかったから。
どんなに憎まれ口でも、気取り屋でも、
誠実な人だ。
誠実な人だから、私はその言葉も真実だって
分かる。
「もう我慢とか、ナシだから。」
そう言って、彼は私の方に近づいた。
見慣れた顔も、夕日のせいか分からないけど
赤く帯びている。