あかすぎる、恋に。
「ってことでさ、莉雨!私も手伝ってくる!
莉雨も担当生徒でしょ?」
「おー!私も手伝ってくるか。」
やっとやる気になってくれた莉雨を
見送って、私も手伝うことがあるか聞いてみよう。
「遼真、手伝うことなんかある?」
「あ?あー・・・俺の役割はメイド喫茶だし、
お前は演劇の役割だろ?」
まぁ、そうなんだけどね。
でもさ、今メッチャ演劇の方気合入ってんだもん。
私が入る間もないような感じで、どうすれば
いいか困ってんだよね。
「ん、じゃあさ・・・」
遼真はしばらく考えていたけれど、思い当たる
節でも見つけたのか、口を開く。
お、なんだなんだ?
「シンデレラの役、彩だろ?少しは練習
しないと、恥かくぞ?」
・・・・・・・・・・・・イラッ。
「そりゃあさ、私の演技力は絶望的と言って
良いほどの自信がるよ?でも一人でぶつぶつ
言ってると、本気で心配されるじゃん?」
心配と言うレベルじゃない。
マジで病院に連れて行かれる。
生徒はおろか先生までも、本気で思い悩んで
しまうだろう。
「お前のイメージって何なんだよ・・・・」
はぁ、とため息をつく遼真は眉間に
しわが寄っていた。
・・・・1万円が欲しい。
そうすれば今すぐにでも遼真にそれを渡して
眉間のしわ取りにでも行かせてあげたい。