あかすぎる、恋に。
「ああロミオ、どうしてあなたはロミオなの?」
「それはロミオとジュリエット」
「赤の女王を倒すべき時が来た!」
「それは不思議の国のアリス」
「人魚姫は泡になって消えましたとさ」
「それは人魚姫」
ぜーんぶなんか違う話のセリフに
なっちゃうんだよなぁ。
「おまえ、全部違う話だろうが!!ていうか
最後のはセリフになってないだろ!!」
バレた?
えへ、と舌を出してみたが遼真は化け物を
見るような目で私を見る。
うん、我ながらにちょっと引いたわ。
後悔はしている。だが、反省はしていない。
「ったく、どうすんだよ。」
「それ、私が聞きたいんだけど。
演技の仕様がないんだけど」
はぁ、と私と遼真はため息をこぼした。
その時。
「彩ー!!」
莉雨が勢いよくドアを開いて入ってきた。
いや、そんなことしなくても私は別に逃げないよ?
うん、ちょっと引くだけ。
そんなことお構いなしに、莉雨はニコニコ
しながら私に近づいて来る。
え、怖いよ?
何かものすごく嫌な予感しかないよ?
「じゃんじゃん☆シンデレラの衣装、完成
しましたー!どうでしょう??」
そう言って見せたのは、コスプレとかである
完成度のめっちゃ高いものである。
イメージ通りの水色のドレスに、フリルが
これでもか!ってくらいついていて。
・・・・・・うん、可愛いよ。
可愛いけど、これを私が着るのか?