あかすぎる、恋に。


「遼真・・・・・?」

私が名前を呼ぶと、ピクリと反応を示す。

そしてゆっくりと近づいて来る。

「りょ・・・・うま・・・・?」

もう一度名前を読んでみるが、反応は無く、
目の前に立つ遼真は、なぜか顔が赤い。

やがてゆっくりと腕を上げられ、髪を
すくい上げられ。


パサリと、手から落ちた。

「遼真、なんか変・・・・・」

「うっせぇ、馬鹿。」

嫌味っぽい馬鹿と言う単語も、今は
不思議と怒らずに済んだ。

「お前その服・・・・・」

「ど、どうせ似合ってないんでしょ?」

うん、言わなくても分かってる。
ちょっと調子に乗ったこと、後悔するよ。


だから真面目な顔して返答しなくていいから。

「ちげぇよ、馬鹿。・・・・似合ってる」


最後の方は小さい声だったが、ちゃんと
聞こえていた。

‘似合ってる’

確かに遼真はそう言ったよね?
・・・・・・やばい、今凄い顔が熱い。

きっと真っ赤なのかな。


「なぁ、」

「は、はひっ!?」

改めて呼ばれたため、変な反応をしてしまったよ。

「な、何ですかっ?」

・・・・・馬鹿すぎる、私。
いきなりなんで敬語が出てくるんだ!?

でも遼真はそれを気にしてないみたい。
何を考えているのか分からない顔をしている。


「・・・キスしていいか?」





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