あかすぎる、恋に。
【遼真side】
先生の長々しいホームルームを聞き終えた
俺は、家へとゆっくり帰った。

親との関係はいまだ修復もクソもないから、
無意識に避けてしまう。

この時間は母親が仕事だっていうから、家に
いないのは分かりきっているのに。


なのに、唯一の俺が帰る場所なのに、足が
なぜかゆっくりになる。


帰ることを拒んでいる。

普通なら十数分でつくのに、一人で帰ると
歩調が遅くなり三十分ほどかかった。


「はー・・・馬鹿か、俺。」

そう自嘲気味に笑いながらドアを開けると、
靴があった。

・・・・・・・・母親か?

そう思いながら足音を忍ばせてリビングに
行くと、カーテンが閉められている中、
母親がいた。


なんでいるのか、仕事じゃないのか。

そう問い詰めようと口を開いいたその時、

母親の真正面に、知らない男がいた。
知らない男と母親が、抱き合ってる。

「・・・・・・・・誰だよ、そいつ」
俺はかすれた声で、自分に問う。

無論、そいつが誰なのかなんて俺にも分からない。






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