あかすぎる、恋に。

イガイなカタチ

【莉雨side】

「あの2人、今頃何してるかなー」

私と唄鳥君が気を利かせて2人っきりに
させてあげたんだから、上手くいかないと
許さない。


案外結構、彩のノロケ話を聞くのも好きだし。

「まぁ、それなりに上手くいってるんじゃ
ないですかぁ?」

そう言ってニコニコと笑みを浮かべる唄鳥君。

なんで隣にいるんだろうとか思ってたけど、
よくよく考えれば家が同じ方向だったし。


「唄鳥君ってさ」

私は特に意識もしていなかったけど、
不意に思っていたことを口に出す。


「彩のこと、好きだった?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

そう聞いてみると、唄鳥君は笑みを崩さないまま
押し黙った。

ちょっとこの質問を避けておいた方が
良かったかなって思う。

「ばれてました?」

その声はいつものトーンだけど、その中に
少しだけ切なさも含まれていて、本気だと
確信する。


「・・・・ごめん」

素直にそう謝ると、唄鳥君はいいよと軽く
笑う。




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