あかすぎる、恋に。
「それに・・・結構あいまいだったんです。」
「あいまい?」
その言葉で私は首をかしげる。
「本気で好きだったのは変わりないけど、
他の人に取られて、ああ、もういいや。って
思うほどの気持ちに気付いちゃって」
そこまで言うと、いったん言葉を区切って
息を整える唄鳥君。
「取られたことよりも、この程度の気持ち
だったことに失望したんだ」
少しでも気をゆるめたら泣き出してしまいそうな
顔で、それでも必死に笑おうとする唄鳥君。
なんだろう
胸が、痛い—―――――。
いつも笑っている彼は、こんな顔なんか
見せないと思ってた。
だけど君も、ちゃんと泣ける。
「私もね」
唄鳥君は話し始めた私の方をただ黙って見る。
「遼真君のこと、好きで。
彩にまで頼んじゃって、それで苦しめて」
唄鳥君は、彩のこと見ていたでしょ?
なら、分かっているのだろうか。
私のことで、どれだけ彩が苦しんだか。