あかすぎる、恋に。
「ただいま・・・・」
俺はリビングにいるはずの母親にも顔を見せず
自分の部屋にこもる。
母親なんて嫌いだった。
彩の両親には良い顔をしときながら、
家ではいつも不機嫌だ。
不機嫌な時はいっつも俺に当たって
ばっかりだし、機嫌がいい時はそんなこと
忘れたつもりで優しくして来る。
そんな時にいう「遼ちゃん」っていう
甘ったるい声が大っ嫌いだった。
母親はそんなことかまわず、家にいる。
唯一救いなのが、母は仕事が忙しく
ほとんど家にいることがないのだ。
泊りがけなこともあるし、帰ってきたと
してもほとんど寝ていてコミュ二
ケーションなんてほぼ無い。