あかすぎる、恋に。


「ああ、ちょっと学校に忘れもの。
沢良宜さんは今帰り?」



「うん。ちょっとホームルームが
長引いたんだ。」


私がそう言うと、ああそっか。と納得し
少し首をかしげる遼真君。


「沢良宜さんって、彩と仲良いよね。
今日は一緒に帰ってないの?」



・・・・・・・・・。

私はどうしようと悩んでいると、察したのか
慌てて言葉を重ねる。


「あ、いやいいよ。いつも一緒っていう
わけじゃないもんな。変なこと
聞いてごめん」



そう言って学校の方へ歩き出す遼真君。


私は何か話さないと、と思っていても
何もいい話は思いつかず、衝動的に話す。



「遼真君ってさ!!!」





< 55 / 194 >

この作品をシェア

pagetop