あかすぎる、恋に。

波乱

【遼真side】
今朝の彩はいつも通りだった。


昨日の電話越しに見せた悲痛の声を
裏腹に、何事もなかったように待ち合わせの
場所にいた。


相当泣いていたのだろう、目の下に
うっすらとクマがあったけど。


でも俺は、このいつもみたいな雰囲気を
壊すのが怖くてあえてその話題には
触れない。



「・・・・・・・・・・・」


いっそ俺のせいにして、全部謝って元通り。

またほんの数日前みたいな、バカ騒ぎを
毎日のように繰り返して。


万事解決、これでいいだろ?

「・・・・・・なーんてな」


分かってるよ。
そんな簡単に解決の糸口が見つかるなんて
思ってない。

逆にそんな簡単に見つかったら、今までの
彩の苦労が全て水の泡になる。


そもそも、この出来事の発端が分からない。


分からないままツッコんで、勝手に
かき乱して、ただの迷惑行為だろ。


いつになったら分かるのだろうか。
というか分かる日がくるのだろうか。



でも、これだけは必ず見つけたい。
『解決策』だけは。








< 97 / 194 >

この作品をシェア

pagetop