あかすぎる、恋に。

「何か言った?」


独り言を言った俺のことを不審に思ってか、
彩は俺の顔を覗き込んでくる。


その顔でグッと近づいてきたため反射的に
後ずさりをすると、頬を膨らませて
拗ねるような態度をとった。



こいつさ・・・・俺の理性ぶち壊す気かよ?

町の中なのに一瞬、押し倒したい気持ちで
いっぱいになる。


すんでのところで我に返ったけど。



今ので俺の頭ン中、全部一度リセットされたからな!?


スッポリ全部抜かれて頭真っ白状態だからな!?



「お前さ・・・・・・・・・」

「ん?」


もうちょい、危機感持てよ。
俺だって一応男だしさ、一応。


なんて言おうと思ったが、やけに目を
キラキラさせて食いつきが良かったので
溜息だけで言葉を飲み込んだ。


続きが気になったらしく、いまだ
何かと問い詰めているが気にしない。












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