恋なんていたしません!
あれは、高校1年生の時である。

秋の終わりか冬の始めかは忘れてしまったが、2学期だったことは覚えている。

その頃のわたしはまだ男嫌いではなく、今のように乙女ゲームにハマっていなかった。

それどころかゲーム自体にも興味を抱いていなかったし、やってみたいとも思ってなかった。

部活には所属していない、何の変哲もないただの女子高生だった。

「野々村希子さん」

どんな状況だったかは忘れてしまったが、声をかけられた。

振り返ると、目の前には“かっこいい”と言う部類に入る同級生の男子がいた。

「はい」

そう返事したわたしに、
「俺とつきあってください」

彼が言った。

これはいわゆる、告白と言うヤツだ。

初めて男の子に告白された!

そのことに舞いあがったわたしは、
「はい!」

大きな声で返事をした。
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