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風上高等学園、2のC。

お昼休み。

騒がしい教室の隅っこに、邪道にも、ちぎりパンをちぎらずに食っている男子生徒。

そいつが俺、一ノ瀬 誠(イチノセ マコト)。

剣道と、八年目の恋に、青春を捧げる男子高校生である。

その隣で、メロンパンをくわえながら、2626(スマホのパズルゲーム)に興じるイケメン野郎が、志野 京介(シノ キョウスケ)である。

京介と、俺とは、十年来の悪友だ。

んで、京介は、よくモテる。

京介の入学早々、非公式ファンクラブが乱立し、公式ファンクラブの称号を掛けて抗争を繰り広げた。

バレンタインデーには、ミスコン三姫(ミスコン1位、2位、3位の美少女トリオ)のチョコを総ナメにしたとか、しないとか。

口癖は、マジ、俺って何でモテんだろ?(羨ましいぞ、コラァ)

そんで、その日。

俺は、神々しきモテオーラをビシバシ放つアンチキショーに相談事を持ち掛けていた。

モテにモテまくるイケメンヤローに、相談事なんて。

もちろん、恋バナである。
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