BORDER LINE

ビーッ、ビーッ、ビーッ!

〝早く閉めやがれ、冷気が逃げちまうだろーが〟という冷蔵庫なりの怒鳴り声に、

私は、ハッと我にかえる。

———あぁ、そうだ。

———一ノ瀬のお粥、作らなくちゃいけないわね。

どうやら、私は、冷蔵庫に頭を突っ込んだまま、古き想い出に浸りきっていたらしい。

私は、ほとんどスッカラカンの冷蔵庫を眺めた。

ドアポケットに、卵が二、三個、整列しているのを確かめる。

———卵粥でいっか。

私は、そう呟くと、早速、グーグル先生を呼び出した。
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