BORDER LINE
ピピ……ピッピ〜

親父さんの情けない笛ぴったしに、少女は、スープをしっかり飲みほし、プハッと息を吐きだした。

「チャレンジ終了っ!完食おめでとう、すげぇな、嬢ちゃん!」

親父さんは、オバさま達に、スッカラカンになった大鍋を掲げる。

少女は、俺に向かって、歓喜のダブルピースをキメる。

俺は、やれやれ、と深い溜息を吐いた。

———いや、まぁ、めっちゃ可愛いけどさ、

———そんだけ食っといて、おまえは、何でそんなに細ぇわけ?

それから、

———どうして、こんな大食いバカ女に惚れちまったんだろう、俺?
< 5 / 62 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop