ange~天使が恋した王子様~

「失礼しました〜」

ガララと職員室のドアを閉め、私は下駄箱に向かった。

早く、帰ろ…。


「あれ、杏?」


「え、ソウくん⁉︎」


「今日、帰るの遅くね?」


「ソウくんこそ、早くない?」


「ああ、今日は早く上がったんだ」


「そう…おつかれ、さま」


「おぅ、サンキュ」

私たちは、靴を履いた。

さっき2人を見たばかりだからか、ちょっと気まずい。


「他の…人たちは?」


「え、いや…みんなはとっくにあがってるよ」


「自主練してたの?」


「まーな、試合近いし」

さすが、2年生でエースって言われるだけある。

ソウくんは、誰よりも努力してる。

だから、ソウくんが褒められると、本当に嬉しいんだ。
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