ange~天使が恋した王子様~


「杏!」

私の名前を呼んで差し出されたバトンを受け取り走り出す。


「杏ーーー!」

自分のクラスの観覧席の前を通ると棗の声が聞こえた。

半分くらい走ると、ようやく差が縮まってきた。

これならいけるかも……!

そのまま差を詰めた私は前の人の真後ろに。


「いけるよ杏!」


「がんばれ!」


「抜かせーー‼︎」

私は力を振り絞ってスピードを上げる。

あと…もう少し………!!

その時……
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