ange~天使が恋した王子様~
私は思わず固まった。
「杏?」
「な、んで」
「お前が1人で花火見ようとしてるって聞いたから」
「え?」
1人どころか、見れるとさえ思ってなかった。
「ちげーの?」
「いや、」
どういうこと…?
「ほら、杏‼︎せっかく迎えに来てくれたんだから行ってきな?」
「先輩…」
まさか、先輩が…?
それに気づいたのか千夏先輩はパチンとウインクした。
「いってらっしゃい、杏」
「………いって、きます」
そう言った私を先輩たちは満足そうに見送ってくれた。