ange~天使が恋した王子様~


『ねぇ、杏。杏たちは私から見たら十分恋人に見えるよ?』

『んじゃー杏、またな』

恋人じゃない。

恋人に見えても、両想いにはなれない。

そんなこと、わかってる。

わかってるけど……


「………キツイな、」

この想いに、終わりはある……?


着替えた私はバフンッとベッドに倒れこんだ。

朝開けた窓からの風がやけに寒く感じた。

あ、閉めなくちゃ…風邪ひいちゃう…

でも、今は少しだけ…

私はそのまま吸い込まれるように暗い世界に潜っていった。
< 222 / 484 >

この作品をシェア

pagetop