ange~天使が恋した王子様~
「きれい…」
大きなクリスマスツリーはカラフルに彩られ、イルミネーションで輝いていた。
周りを見ればカップルばかり。
そのカップルたちも笑顔で輝いていた。
「そうだな」
少しだけソウくんの手に力がこもる。
「ソウくん?」
「今日さ、楽しかったか?」
「え……?」
「いや、食事中あんましゃべってなかったし。
様子おかしかったし。
俺、店とかどこがいいのかわかんなくて勝手に決めたし。
杏はあんま好きじゃなかったかもしれねぇし
それに…プレゼントだって、用意してやれなかった……」
ソウくんの不安そうな顔。
珍しかった。
本当に。あまり自分の不安を人に見せる人ではないから。
それが目に見えてわかる表情をしてしまうくらいの不安。
バカみたいだけど、その原因が私だったことが嬉しかった。