ange~天使が恋した王子様~
「喜んでもらえたなら、よかった」
「うん、すごく嬉しかった」
「なぁ、あれ、作れそうか?」
「あれって、今日の料理?」
私の疑問に頷いたソウくん。
「んー、たぶん?」
「できたら食べさせて。
………来年のクリスマスにでも。
来年こそ、プレゼント用意しとくから。
今年の分も」
『来年』
その言葉に私は涙が溢れた。
頬をとめどなく流れる涙は止まらなかった。
その言葉をどれだけ望んでいたかな。
どれだけ願っていたかな。
来年のクリスマス。
ソウくんのその日の未来図に私がいることが嬉しくて仕方なかった。
どんなに高級な料理よりも。
甘い言葉よりも。
なにより嬉しいものだった。