ange~天使が恋した王子様~



「杏…………………………………泣くなよ」

残念ながら、私の涙はもう止まらない。

止まるわけがない。

こんなにも好きなの。

あなたじゃなきゃ、ソウくんじゃなきゃだめなの。

好きじゃ足りないくらい想いが募ってるの。

もう、伝えられない想いは募っていくばかりなの。


「まだ、わからねぇ」

私の頬に手を添えて、涙を親指で拭ってくれるソウくん。


「杏は、俺にとっていつも特別だった。

でも、これがなにかわからねぇから。

大切なんだ。大切だから、
こんな中途半端でお前の想いに応えられない」

私はその言葉に頷いた。
< 243 / 484 >

この作品をシェア

pagetop