ange~天使が恋した王子様~
「ずっと、待たせてごめん。
でも、もう少しだけ待っててくれ。
ちゃんと向きあうから」
私の目からはまた涙が溢れていた。
ソウくんは止まらないソレをみて困ったように笑った。
ずっと、怯えていた。
きっと、私はこの街でまた誰かの命を、幸せを奪うんだって。
それを救ってくれたソウくんの言葉。
『そばに』『一緒』
そんなソウくんに好きになって、溺れた私を救ってくれたソウくんの言葉
『来年』『特別』『大切』
いつだって私を救うのはあなたの言葉だった。
暗い冬の海で、ソウくんの瞳だけはハッキリと見えた。
その瞳は、決意をした瞳だった。
『俺、由紀に告白する』
あのときと同じ。
同じなのに、こんなにも嬉しいんだ。
不思議だね。
半年前はこの瞳に苦しんだのに。
今はこの瞳が嬉しくて仕方がないの。