ange~天使が恋した王子様~
「ありがとう」
「それ、杏が言っちゃダメだろ」
やっぱり困ったように笑うソウくん。
私は首を振った。
「ありがとうだよ。やっぱり」
「…んで、お前はいつも……………」
小さく呟くように言った。
「ソウくんの言葉はいつもまっすぐだから。
私はいつだって救われるんだよ」
何度も救われた。
だからこそ、なによりも信用できた。
「待つよ」
だから、私も決意するよ。
ソウくんに私なりの決意を返すから。
「待つよ、ソウくんがちゃんと考えられるまで」
ちゃんと待とう。
不安になるけど。
怖くなるけど。
待とう。
それが向き合ってくれるソウくんへの精一杯の恩返しになることを、信じて。