ange~天使が恋した王子様~
「明日から、フランスでしょう?
自由時間あるわよね?」
「はい」
自由時間はある。
どこに行くのか大体は決めてるけど。
「時間があれば行ってらっしゃい。
行き先はこの封筒の中に」
「どこなんですか?」
「ごめんなさい。
おばあさまから預かったものだからどこまでの地図かは…」
「おばあちゃんから?」
「ええ。あなたがフランスに行くことがあればこれを渡すようにと」
何年も前から…?
「もちろん、無理に行くことはないし、あなたが行きたくないのなら行かなくていいわ。
これを渡しておくから、あとは自分で決めなさい」
「…………はい」
私は小さく頷いた。