ange~天使が恋した王子様~
「んだよ、忘れてただけかよ」
呆れたようにため息をついて笑うソウくん。
「ごめんごめん」
「んで、どこ行きたい?」
「あー、どこでもい………」
「杏?」
"どこでもいいよ"そう言おうとして止めた私を不思議そうに見るソウくん。
私はカバンの中を探った。
「あった…」
「なんだそれ、封筒?」
「うん」
「しかも古くね?」
前は白かったはずの少し黄ばんだ封筒。
「時間があったら行ってみてって紗江さんが…」
「紗江さん?」
「うん、」
「開けてみるか」
「うん……」
私たちはゆっくりとそれを開けた。