ange~天使が恋した王子様~
「あなたが産まれ、杏菜は1度だけ。
ほんの一瞬だけあなたに触れて逝ってしまったわ。
でも、今までで1番の笑顔だった。
まぁ、そのあとあなたのお父さんは耐えられず自分もあとを追ってしまったけれど…」
「………っ」
「あなたがおばあさまに引き取られて安心してたのだけれど、そのおばあさまも亡くなられたようね…」
「はい、5年前に」
「そう、また日本に行ったときは、お墓まいりさせていただくわ」
「ありがとうございます」
「最後にみたあなたは本当に小さくてね。
おばあさまが亡くなられたと聞いて心配していたけれど、こんなに立派に育ってくれていたなんて…よかったわ」
そう微笑んでくれた瀬里菜さんに私は涙が止まらなかった。