ange~天使が恋した王子様~
じゃりっと歩くたびに石が小さく動いて音を立てる。
ふわふわと浮いているような感覚で、その音で自分が地面を歩いていることをなんとか自覚していた。
じゃりっ
そして、音が止まる。
「お母さん……お父さん……」
「ああ」
「やっと、いた………」
「ああ」
「ちゃんと、いた」
「………………」
声が震える。
頬を伝う涙がなんだかくすぐったい。
手の震えが止まらない。
目の前がにじむ。
きっと顔は涙でぐちゃぐちゃだけど…
それでも
「やっと見つけたぁ………」
そういったときには膝の力なんて、もう抜けていて。
咄嗟に手を出してくれたソウくんはそれから黙って私を支えてくれていた。