ange~天使が恋した王子様~
「よし、こんなもんかな」
「ん、こっちもこれで終わった」
「もうちょっとしたら集合時間だね」
「ああ、挨拶急ぐか」
「うん」
私たちはお墓の前に膝をついて手を合わせた。
『お母さん、お父さん。杏樹です。お母さんたちが私を最後に見たのは18年前だよね。
もう今年で18になるよ。
大きくなったでしょう?
初めて会いに来るときが男の子と一緒なんてびっくりした?
隣にいるソウくんは私の恩人です。
辛いことも大変なことも、泣いてばかりなときもあったけど、いつだってそばにいて、守ってくれた人です。
そして……私の好きな人です。
きっとこれからもたくさん泣いて過ごすこともあると思うけど、ずっと見守っていてね』