ange~天使が恋した王子様~



「よし、こんなもんかな」


「ん、こっちもこれで終わった」


「もうちょっとしたら集合時間だね」


「ああ、挨拶急ぐか」


「うん」

私たちはお墓の前に膝をついて手を合わせた。


『お母さん、お父さん。杏樹です。お母さんたちが私を最後に見たのは18年前だよね。

もう今年で18になるよ。
大きくなったでしょう?

初めて会いに来るときが男の子と一緒なんてびっくりした?
隣にいるソウくんは私の恩人です。

辛いことも大変なことも、泣いてばかりなときもあったけど、いつだってそばにいて、守ってくれた人です。
そして……私の好きな人です。

きっとこれからもたくさん泣いて過ごすこともあると思うけど、ずっと見守っていてね』
< 287 / 484 >

この作品をシェア

pagetop