ange~天使が恋した王子様~
私が顔を上げるとソウくんは優しく微笑んでいた。
「…………行くか」
「うん」
私たちはなんとなく、手をつないで帰った。
「杏〜遅かったねぇ」
ホテルに着くと棗が飛びついてきた。
「まあね」
「楽しかった?」
棗が首をかしげる。
「……行ってよかったって、思えた」
私は微笑んで棗にいった。
「そっか」
微笑み返してくれた棗のお土産話をたくさん聞いた。
「杏は?」
「え?」
「杏は、どんな時間だった?」
「…………」
「あ、むりには聞かないけど、」
「ねぇ、棗。私、たくさん話さなくちゃいけないことがあるみたい。
………全部、聞いてくれる?」
「当たり前でしょ‼︎」
得意げに言った棗に私は今日聞いた全てを言った。