ange~天使が恋した王子様~



「はぁ〜たくさん見たねぇ」


「うん‼︎」


「棗、杏ちゃんそろそろ行かないと集合に間に合わないよ」


「え、もうそんな時間⁉︎」


「今日は昼までだからな、そんなもんだろ」


「えーまだ見たいなぁ」

残念そうな顔をする棗。


「また来よう。そしたらまたたくさん見れるよ」


「ほんと⁉︎」

葉くんの言葉にパッと顔を明るくする棗。

葉くんも笑顔で頷いた。

そっか、カップルだったらそんな約束ができるんだ…

いつか、そんな約束できる人、見つかるかな…………


「杏?」


「あ、そういえばソウくん、さっきなに買ってたの?」


「ん」


「…………塩?」


「ああ」


「あ、おばさんに……」


「ん」

なんだかんだ優しいんだよね。

照れくさそうに目線をそらすソウくんを見て、私は笑った。
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