ange~天使が恋した王子様~
電車に乗り込むと、たくさんの学生とサラリーマンたち。
同じ制服の人たちも少なくなかった。
「気をつけて行けよ」
「うん」
「あんま遅くなんなよ」
「わかってるよ」
「連絡は繋がるようにしとけ」
「お父さんみたい」
「うるせぇ、去年のこと忘れたのか?」
「はいはい、大丈夫だよ」
そんなことを言っていると、電車が止まり、同じ制服の人たちが電車から出て行く。
「………ほら、ソウくん。行かなきゃ」
「……………あとで連絡する」
「うん」
名残惜しそうに出て行ったソウくん。
そこまで心配してくれたことが、少し嬉しかったのは秘密だ。