ange~天使が恋した王子様~
ざわざわ…
「今日は騒がしいね」
3年生のフロアまでくるといつも以上に騒ついていた。
「まぁ、今日から新学期だし、こんなもんだろ」
「そっか、そうだよね…」
そうは答えたものの、私は胸騒ぎが止まらなかった。
なにもないといいけど…
「杏‼︎」
後ろから走ってきたのは棗。
心なしか、顔色が悪いように見える。
「どうしたの?」
「あのね、あのね‼︎」
言葉が詰まっているような棗。
「なにかあった?」
こんなに慌てるなんて珍しい…
「今日、転、校生、がっ」
「転校生?」
なんのことかわからない私とソウくんは首を傾げた。