ange~天使が恋した王子様~


そして、"その人"は来た。


「おーい、席に着けーHR始めんぞ」

ざわざわしながらも席に着く生徒たち。


「まず、お前らももう知ってんだろうけど転入生紹介すんな。入ってこい」


「はい」

凛とした声。

鈴のような女の子らしい声。

なにも変わってない。

あまり聞いたことはないけど、忘れられない。

だって、ソウくんの好きな人の声だもん。

気づかないところで意識していたって仕方がない。


「残りの数ヶ月、このクラスのメンバーになる、村尾由紀さんだ」


「よろしくお願いします」

あまりに綺麗な笑顔でそう言った彼女は、前と同じ、もしくはそれ以上の輝きを放って戻ってきた。
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