ange~天使が恋した王子様~
「ソウ、くん」
私の腕を掴んでズンズンと進むソウくん。
私は自然と駆け足になっていた。
「………大丈夫だから」
そして、急に立ち止まって言うソウくん。
「え……?」
「杏が心配する必要ないから」
「ソウくん……」
「ちゃんと、杏のこと考えるって言ったの、嘘じゃねぇよ。だから、心配すんな」
「う、ん」
私は小さく頷いた。
そのまま俯いたのは嬉しすぎて溢れそうな涙を隠すため。
ねぇ、ソウくん。
もしかしたら、三角関係になるほど近くなれてないって思っていた距離は思ったより、近づいているのかもしれない。
そう、期待してもいいですか?