ange~天使が恋した王子様~
「おはよ」
「おはよう杏……あれ、ソウは?」
「ああ、なんかさっき村尾さんに呼び出されて行っちゃった」
「………大丈夫?」
「うん。心配するな、ってソウくんも言ってくれたから」
私は笑顔で頷いた。
「へぇ、ソウもたまにはやるじゃん」
満足そうに頷いた棗と笑った。
「あ、ソウ!」
棗がそう声を出したのはチャイムギリギリになったときのこと。
「あぁ、谷山。はよ」
「おはよ」
「悪かったな、杏」
「ん?大丈夫だよ〜」
そう言った私にソウくんは優しく微笑んだ。