ange~天使が恋した王子様~


「病気だったときは、想いなんて伝えられないし、絶望的だったけど、今は別」


「てことは…」


「うん、完治したわ」


「そのこと、ソウくんには…………」

あれほど、ソウくんが守りたいと言っていた人。


「言ってない」


「っ、どうして⁉︎ソウくんはあんなに心配して、」


「それだけ?」

私の言葉を遮る彼女の決して大きくはない声。


「怖いんでしょう?ソウが私が病気だと勘違いして、自分よりも私を選ぶことが」


「…っ、」

図星、だった。
< 326 / 484 >

この作品をシェア

pagetop