ange~天使が恋した王子様~


「デートでいいじゃん‼︎
ポジティブな思考は大切だよ?」

よくわからないことを言い続ける棗を置いて、私は重い腰を上げてリレーの集合場所に行った。


「デート、かぁ………」


「杏樹ちゃん」

後ろから声をかけられた。

あ、そうだ…

この人もリレーなんだ…。

私は後ろを向いた。


「由紀、ちゃん……と、ソウくん……」

どうして、2人が一緒に…


「ふふ、一緒に頑張ろうね」


「あ、うん」

笑顔で近づいてくる彼女。

「杏?」

ぼーっとしている私にソウくんが声をかけてくれる。


「あ、なんでもないよ。行こ?」


「あ、あぁ…」
< 333 / 484 >

この作品をシェア

pagetop