ange~天使が恋した王子様~



結局、ソウくんのところまでそのまま回ってきてしまった。

でも由紀ちゃんは抜かせなかったものの、距離を随分縮めてくれていた。


「ソウくん、がんばって‼︎」

そう言って見送る。


「ああ」

優しく笑ってラインにつく。

由紀ちゃんが走ってきた。

走り方まで綺麗だなぁ。なんて、バカみたいなことを思った。



「ソウ!よろしくね‼︎」


「任せとけ」

息ぴったりなバトンパス。

息を切らしながらのソウくんへの言葉。

自分も同じようなことをしたはずなのに、心が痛くて仕方がなかった。


「アンカー!はやくラインにつきなさい」

なかなかつかない私に先生が言う。


「あ、はい‼︎」

だめだ、今はリレーのことに集中しないと。
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