ange~天使が恋した王子様~
その場所だけ切り取られたように、のけ者にされたように、周りにはなにもなくて。
中からは好奇心で入った人たちの悲鳴。
お世辞にも楽しそうな雰囲気を出していない殺建物。
血で書かれたような演出を施した看板。
すべてが"ありきたり"のひと言で済ませてしまう。
でもそれだけでも私の恐怖心を煽るには十分だった。
「所詮は作り物だっての」
「でも怖いの‼︎」
「どうせつまんないって」
「じゃー行かなくていいじゃんー‼︎」
「やだ」
可愛く言ってもむりだってーーー‼︎
「さっさと行くぞ」
結局私はずるずるとソウくんに引きずられて行った。