ange~天使が恋した王子様~
「きゃっ」
風を感じて小さく声をあげる。
「いや、ただの風だっての」
「だって急に〜」
「さっさと行くぞ」
「ちょ、待って、」
早くも泣きそうな私。
気にせず歩くソウくん。
ちゃんと終わるのかな…
「ぎゃあ‼︎」
「ん?」
「なんかいたー‼︎」
曲がり角のところに影を見つけて私はまた声をあげた。
「なんもいねーよ」
「いたってー‼︎」
「どうせお化け役の人だって」
「う、ん」
「ったく、行くぞ」
私の手を掴んで歩き出すソウくん。