ange~天使が恋した王子様~


「なにも、いない?」


「いねーよ」


「ほんと?」


「ほんと」

呆れたように、でもちゃんと答えてくれるソウくん。


「あー、でもさっきそこに誰かいたかも」


「え、ほんと⁉︎」


「いや、嘘」


「ちょっとー‼︎」

ばっと振り返った私をおかしそうに笑う。

優しいんだか、意地悪なんだか…

そのとき、

ペトッ


「ぎゃーーーーー」

今日イチの悲鳴を出したのはやっぱり私。


「うわ、なんだよ」


「なん、なん、なんか、ペトッて、ほっぺに、」


「お前の悲鳴にビビるから」


「だってー‼︎」


「ったく」

私の顔の辺りを見るソウくん。


「あー、これじゃね?」

苦笑して私に見せたのは、
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