ange~天使が恋した王子様~
「…ん、わかった………………今から?」
そう言ったソウくんがチラリと私を見る。
私はそれにビクッと反応した。
「それはわかるけど、今は………」
私は手で震えを必死に止めていた。
怖くて仕方がなかった。
「…………わかった。今から行く」
…………………え?
「ちょっと待ってろ」
その目はあの、守ると決めた時の、決断した時の目だった。
ピッ
電話を切ったソウくんは私を見た。
「悪い、杏」
ねぇ、どうして謝るの。
「俺、行かねぇと」
そばにいてよ。
「ほんと、ごめん」
謝らないで。
パシッ
背を向けていこうとするソウくんの腕を思わず掴んだ。