ange~天使が恋した王子様~



「はぁ、はぁ、」

階段を駆け上がる。

息が上がって、足も悲鳴をあげてる気がするけど、どうだっていい。

はやく、はやくソウくんに会いたいの。

あと少し…

階段を半分くらいまで登り終えたとき、上から人の影が見えた。


「…………由紀ちゃん」


「杏樹ちゃん…………ソウと、待ち合わせ?」


「…………うん、」


「そっか」

沈黙が続き、上から人が降りてきた。

ぎゃははは

なんて、私たちの空気には似合わない笑い声をあげて。


沈黙に耐えかね、私がもう1度足をあげたとき。


どんっ

「きゃあ‼︎」

上から短い悲鳴。

スローモーションのようだった。



そして、その影は、私に近づき、ついに重なった。


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